2014年9月5日
この十年間SCMの海外文献研究に小生が取り組んでいる事は専門家の間では周知の事実であるが、今般、SCM戦略論に就いて漸く完結出来る段階に至った。文献研究は、時間と手間暇がかかり即効性が無いので学者には嫌われる領域ではあるが、まあ、一種の学者の使命感として研究を続けてきた。お陰様で、研究成果に就いては、内外学会に発表をしてきたが、今般、白桃書房さんのご厚意で、『SCM概論』(仮称)の出版準備が出来る様になり、何とか持論を展開したいものと思っている。因みに、SCM概論の本は、日本ロジスティクスシステム学会と日本SCM協会との協賛を受けているので、全国の専門家が執筆する予定になっている。SCMがこれだけ普及浸透しているのにも拘らず基本書が皆無である現状は嘆かわしいが、当該著書籍が基本書の嚆矢となる事を願って止まない。
日本SCM協会も米国の様にSCM管理士又はプロフエッショナルを早急に確立すべく、目下専門家が糾合して検討中である。高等教育機関にロジスティクスやSCMの学部或は学科が存在しない我が国教育の欠点の穴埋めを一刻も早くすべきではないものかと思っている。受け入れ産業界の存在、物の流れの管理の大切さ、荷主と業界の懸命な努力、人材開発の重要性など、産民官学の殆どの人がロジスティクスやSCMの重要性を認識しているのも拘わらず教育界は軽視しているのが実態である。本来は、コマーシャリズムに乗らない国立大学が先鞭をつけるべきかと思うが、文科省には期待出来ないので…。教育の話になると嘆き節になってしまうのが残念だ。
皆さんの奮起を期して止みません。